FIA Formula 1 WORLD CHAMPION SHIP JAPANESE GRAND PRIX SUZUKA 2019
2019/10/11-13
 今年はニキ・ラウダが亡くなり、アロンソがF1から離れた。そこにいるだけで華になる2人がいない鈴鹿で俄然光輝いていたのが、F1で最年長ドライバーになったキミ・ライコネンだ!フェルスタッペンやルクレール等の新星もライコネンにはかなわない。彼のクールな性格だけではなく2005年の鈴鹿で17番手からスタートし、次々と追い越しを重ね、最終ラップにストレートエンドでトップのフィジケラをアウトから抜き去り、優勝したシーンを俺たちは忘れない。来年の契約も決まっているが長くF1にいてほしいものだ。
  今年は台風19号の影響で土曜日がキャンセルされ、日曜日の午前中に予選が行われるという2004年以来の変則的な開催となった。それでも決勝日は昨年よりも8千人多い8万9千人が訪れ、レッドブル・ホンダ人気でたいへん賑わった。喜ばしいことだ。
  災害が起きている時にこんなイベントを不謹慎だという人もいるが、東北の大震災の時から経済的な自粛は復興を妨げるという教訓を持ち、現地へと向かった。それでも帰宅後に被害の大きさに衝撃を受けるばかりで、台風19号で被災された方には心からお見舞い申し上げます。

金曜日フリー走行1は初めてスプーンに足を運ぶ
人が少ないのでまったりと観戦できた
フリー走行2はヘアピンでカメラを構える
決勝の朝。立体交差から台風一過の空 決勝は2コーナーとS字の間のホンダ応援席
ラクビーにしろサッカーにしろ自国を応援できる幸せ

300円は高いけど、レッドブルを応援するために1本購入

   
こんなに賑わっている鈴鹿は久しぶりだ!
ホンダジェットの展示飛行。音の静かさに驚く。ホンダは良いものを作った!

 以下は独断と偏見のつぶやき。画像はクリックで拡大されます。


 MERCEDES  
 ここ数年は憎らしいほど強い。たとえメルセデスを打倒するのがレッドブル以外のチームでも嬉しい。最近はボッタスもハミルトンに負けないくらいに活躍している。鈴鹿でも優勝はボッタスだった。

ルイス・ハミルトン

今年も間違いなく6度目のワールドチャンピオンになるだろう。
この車に乗れば誰だってチャンピオンになれると言われたりするけど、歴代トップクラスのドライバーで間違いない。

   

バルテリ・ボッタス

 予選でも決勝でもハミルトンに負けない速さを見せる。
チームプレーにも徹し、自分の役割を淡々とこなす。
地味な存在でも実力は超一流。

   

 FERRARI  

 昨年に続き今年も戦略ミスで勝てるレースをいくつか落としてしまった。それでも新しく加入したルクレールの走りには目を見張るものがある。フェルスタッペンとルクレールがこれからのF1を引っ張っていくことになるだろう。フェラーリは個人的には川井ちゃんに戦略アドバイザーになってもらえると取りこぼしが少なくなるのではと思う。鈴鹿の予選でいきなりタイムアップしたのは台風の風の影響で、2コーナーからスプーンまでは向かい風でダウンフォースが増加し、ストレートでは追い風で最高速が伸びた影響をエンジンパワーのあるフェラーリが最も恩恵を受けたと言われているが、その追い風を決勝では活かせなかった。

セバスチャン・ベッテル

 新星ルクレールの活躍に押されて何かと非難の的となることが多くなったが、ベテランの走りはまだまだフェラーリには必要だ。決して簡単にルクレールに負けやしない。

   

シャルル・ルクレール

昨年、非力なザウバーで活躍し、今年からフェラーリに加入。
予選でも決勝でもベッテルよりも良い成績を残す。
トップドライバーに良くあることだが、気性の激しさから走行中のチームへの批判やアグレッシブな走行が注目されてしまう。今年のF1が面白くなったのは間違いなくルクレールの活躍のおかげだ。セナだってシューマッハだってフェルスタッペンだって最初はさんざん叩かれた。優秀なドライバーの証拠。

   

 RED-BULL  
 今年からホンダエンジンを積み、明らかにエンジンパワーは増強された。ただし、フェラーリもメルセデスも馬力アップし、なかなか追いつけないが、このペースで行けば必ずや追いつくことだろう。他チームもシャシーの能力も向上し、シャシー面でのアドバンテージが少なくなってしまった。それでもフェルスタッペンの腕もあり、今年は2勝することができた。

マックス・フェルスタッペン

 一発の速さだけではなくクレバーな走りと冷静な判断がさらに速さに磨きをかけた。ホンダエンジンもシャシーももう少し良くなれば、チャンピオンに近づける。来年は勝負の年になる。鈴鹿では2コーナーでルクレールに衝突される不運でリタイヤしたが、あれが無ければ表彰台も可能だったろう。

   

アレクダンダー・アルボン

 今年、トロロッソでF1デビューし、途中からガスリーと交代でレッドブルに昇格。一発の速さではフェルスタッペンにはまだまだ敵わないが、躊躇なくオーバーテイクしていく技術はルーキーとは思えない。鈴鹿でもシケインでサインツをパスしたテクニックは大したものだ。予選ではフェルスタッペンのミスもあったが、同タイムとは立派だ。アジア系唯一のドライバーなので活躍してほしい。おそらく次年度レッドブルに残るだろう。

   

 RENAULT  
 ルノーのエンジンも着実にパワーアップしている。シャシーも改善している。ただし、他チームやホンダエンジンの批判や言い訳が多く、フェルスタッペンからは口先だけでなく結果を出せよと言われる始末。もし、鈴鹿で問題とされている自動ブレーキバイアスシステム違反が事実であれば、ルノーは恥ずべきチームだ。事実ではないことを望んでいる。

ダニエル・リカルド

 今年レッドブルからルノーに移籍して、陽気なリカルドの影が薄れてしまった。こんなチームで腐らずに結果を出してくれるのが彼だろう。ルノーも少しずつ前進している。来年どうなるかはわからない。

   

ニコ・ヒュルケンベルグ

 今年も表彰台に後一歩というところでリタイヤを喫してしまった。
F1で最も運のないドライバーは来年のシートも決まっていない。
速さは認められているのだが、結果が伴わないなんて。

   

 HAAS  
 ハースはアルファロメオとともにフェラーリのセカンドチームと位置付けられている。エンジンパワーはNo.1なので直線は速い。予選が良くても決勝でのタイヤの使い方に苦労して、なかなか上位に食い込めない。チームメイト同士の追突がしばしば発生し批判されてきたが、来年も同じドライバーで戦うことになった。チーフエンジニアは日本人の小松礼雄だ。頑張ってほしい。

ロマン・グロージャン

 先にマグヌッセンの残留が決まり、チーム批判の多いグロージャンは放出と噂されたが、残留が決定。色々と噛み合ってくれば来年は化けることだってあるさ。

   

ケビン・マグヌッセン

 しばしば危険なドライバーと揶揄されるが最近はクラッシュも減ってきたか?一発の速さではグロージャン。安定してポイントを稼ぐのはマグヌッセン?

   

 McLaren  

 昨年、ホンダと決別しルノーエンジンを搭載し、シャシーのお粗末さが露呈し、技術者を一新してシャシー開発に専念。少しずつ結果が出てきた。名門マクレーレンがいつまでも低迷しているわけではないだろう。再来年からはメルセデスエンジンを搭載することになり、少しずつ出口が見えてきたかも?

ランド・ノリス

 今年からF1で走行するルーキー。サインツのサポートもするし、着実にポイントを重ね、ルーキーらしい活躍を見せている。

   

カルロス・サインツ

 アロンソに変わって同じスペイン人ドライバーのサインツがマクラーレンに加入。ルノーに移籍していなければ、今年はレッドブルでフェルスタッペンと走っていたかも?徐々にマクラーレンも改善されてきているので、いずれ表彰台に上がることもあるだろう。

   

 RACING POINT  
 ここ数年地味に活躍してきたチームが今年は低迷している。他所のチーム力がアップしているスピードに取り残されているのか?エンジンはメルセデスなのに残念。

セルジオ・ペレス

 すっかりベテランになってしまったペレス。なかなか良い兆しが見えてこない。

   

ランス・ストロール

 昔はただの金持ちのボンボンと言われてきたのが、最近ではペレスに負けない走りを見せることもある。以前は単独クラッシュと言えば、ストロールだったけど、最近は安定した走りを見せるようになった。

   

 ALFA ROMEO  
 ザウバーが消滅してしまうところをフェラーリのセカンドチームのアルフォロメオとして生き残った。開発費用もままならなかったチームが少しずつ明るい兆しが見えてきた。そして、何よりF1でナンバーワン人気のキミ・ライコネンを有する。キミが走っているだけで嬉しくなってしまう。

キミ・ライコネン

 今やF1最年長ドライバーとなってしまったキミ・ライコネン。
人気ナンバーワンで存在感あふれるライコネンはそこにいるだけで良い。

   

アントニオ・ジョビナッツィ

今年からアルファロメオに加入したルーキードライバー。
最初はライコネンに叶わなかったが少しずつ改善されつつある。
まだ、これからのドライバーだ。
おそらく来年もアルファロメオに残ることだろう。

   

 TORO-ROSSO  
  レッドブルのサポートも受け、ホンダエンジンを搭載しているので、もう少し良い結果を望みたいところだけど、なかなか上位に進出できない 。
 チーム名がミナルディからトロロッソに変わり、来年からはアルファタウリに変わるそうだ。

ピエール・ガスリー

 シーズン当初はレッドブルで走っていたが、途中からアルボンと交代でトロロッソに戻った。レッドブルのシャシーがガスリーのドライビングスタイルに合わなかったのか、トロロッソに戻ってからは少しずつ調子を取り戻しつつある。

   

ダニール・クビアト

 昨年はフェラーリのシミュレータドライバーで、一年の空白の後トロロッソに復活。レッドブルにいた頃は荒っぽいレーサーと言われていたが、最近では安定した走りを見せる。

   

山本尚貴

 フリー走行1のみの走行。F1に日本人ドライバーがいてほしいが、山本は年齢がネックで厳しいだろう。いきなりF1マシンで走行してそれなりのタイムを出したのだから実力はあると思う。

   

 WILLIAMS  

 名門と言われたWILLIAMSもここのところ、厳しい時代を歩んでいる。ずっと最下位にいるなんて、誰が想像しただろうか?シャシーのデザイナーに恵まれなければ、なかなか浮上することは厳しい。

ジョージ・ラッセル

 2018年にF2でチャンピオンになり、今年からWILLIAMSに加入したルーキーだ。元F2チャンピオンでもこのマシンでは結果が残せない。それでもチームメイトのクビサよりも速いのは立派だ。

   

ロバート・クビサ

 2006年からF1に参戦し、将来のチャンピオン候補と目されたが、2011年に趣味のラリーレースで右腕を切断寸前の大怪我を負ってしまう。
 それから厳しいリハビリに励み今年からF1に復帰する。右腕はまだ不自由であるが、見事にF1カーをドライブする。全盛時の速さは失ってしまったが、大怪我から復帰するまでの彼の努力は想像を絶するものだったろう。来年はF1から去ることになってしまったが、ここまで復帰したことは尊敬に値する。


 今シーズンスタートの失敗が多いフェルスタッペンが、レース前にスタートしてすぐにクラッシュするのだけはやめてほしいなとK氏と話をしていたのだが、まさか現実になろうとは。ホンダが久しぶりに表彰台に上る姿を期待して鈴鹿入りしたのに、レース中はテンションがだだ下がりで、がっかりだった。だけど、それだけ期待されるチームになったことを喜ばないといけない。来年は頼むよ。

動画:決勝スタート
動画:決勝スタート2(北川氏撮影)

2018年

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